去年、私のミスで1頭の犬が死んでしまいました。
いや、殺してしまったといっても間違いではありません。
注射を間違えたとか、手術を失敗したとか、そんなものですらなく、
もっと単純なケアレスミスでした。
飼い主さんは私を責めるようなことを言わず、それが逆に
飼い主さんの悲しさと無念さを物語っていると思い、本当に
自分のした事を心から恥じ入りました。
それからしばらく、性格的に獣医師に向いていなかったのではないか、
今からでも獣医師をやめて他の仕事を探したほうがいいのでは
ないかと考えたりもしました。
命を扱う重さについて、改めて考えました。
やっぱりこつこつと真面目に、苦しむ犬や猫たちのために
努力していくしかない・・・・そう思っていた矢先。
その飼い主さんが、他の犬を連れてまた来院して下さったのです。
そして、謝る私に「先生、全然気にしてへんから」といって下さいました。
もちろん、だからといって私がした事が許されたわけではありません。
でも、おそらくは一生残り続けるであろう私の心のなかの小石が、
ほんの少し軽くなりました。
今の気持ちをずっと忘れず、今日から獣医師として再出発したいと思います。
2012年05月16日
再出発
posted by hiro at 20:57| Comment(4)
| 日記