前回に引き続き、猫のお話。
猫は犬と違って基本的には群れを嫌う生き物です。
つまり自分の縄張りには自分1頭だけがいるのが基本(もちろん人は除きます)。
よって、1つの家の中に新しい猫が来たり、放し飼いで多頭飼育をするというのは本来猫にとって大きなストレスがかかる行為なのです。
さらに、多くの猫は外へ出ていきたがる。去勢・避妊を済ませていない場合は本能的な行為ですから当然ですが、手術を済ませていても多くの猫は外へ出ていきたがります。しかし生活環境に恵まれている外国や郊外ならともかく、都会に済む猫達は家の中での生活がメインになっています。外へ自由に出かけるのは、ウイルス病の感染・喧嘩・事故(特に交通事故)などのリスクが大きいからです。
つまり、都会の猫には、普通に暮らすだけで大きなストレスがかかっているのです。交野は都会ではありませんが、かといって自由に猫が外で暮らせるほど田舎でもありません。
あなたの飼い猫がどれくらいストレスを抱えているか、気になりませんか?もし気になるなら、こちらの「ストレスリスクチェック」で調べてみてください。
キャットストレス.com
にゃんこのその行動、ひょっとしたらストレスによるものかも・・・
2012年11月23日
猫のストレス
posted by hiro at 10:45| Comment(0)
| 健康
2012年11月21日
猫の毛色
大変ご無沙汰しておりました。ごめんなさい。
いよいよ秋も深まってきて、朝晩は冬の気配を色濃く感じる今日この頃です。あっという間に年末ですね。TVではデパートのおせち料理の特集や年賀状印刷のCMなどが流れてきて、急き立てられるような気分になります。といいつつ、私も年末年始の話題に持っていくのですが・・・(笑)
今年は12月29日(土)の午前中まで診療します。年始は、1月4日(金)から再開します。
以上、ご了承ください。
さて、今日は猫の毛色について。
猫の毛色にはいろいろな種類があります。シンプルな一色のネコ、タビーと呼ばれる縞柄には銀(シルバー)、茶トラ、キジトラなど。そしてご存知三毛猫ですね。
これらの毛色は当然遺伝子の組み合わせで決まるのですが、毛色に関係する遺伝子は9つもあります。その中身とは、
1,白色遺伝子(W)・・・体全体を白一色にする。もっとも強力な優性遺伝子。
2,茶色遺伝子(O)・・・黒色の毛を茶色(オレンジ)に替える。性染色体上に存在する。
3,黒色遺伝子(B)・・・黒色の毛が現れる
この3つが基本の色ですね。2番が関係してくる(説明するとややこしくなるのでここでは省きます)
ので、オス猫は赤と黒の両方を同時に発現できないのです。これがオスの三毛猫がいない理由です。
それから、
4,アルビノ遺伝子・・・色が付く場所やその濃さを決める
5,銀色遺伝子・・・茶色だけを薄くする
6,希釈遺伝子・・・すべての色素の発色を淡くする
7,アグーチ遺伝子・・・柄ありか柄なし(単色)かを決める
8,タビー遺伝子・・・縞模様の種類を決める
9,白斑遺伝子・・・足先やお腹に白いけの部分(ブチ)をつくる
この残り6個で、様々な縞模様(タビー)や白スポット(足先の白毛は俗に「足袋を履いている」と
表現しますよね)、ぶちなどが形成されます。
以下、知っているとちょっと自慢できるかもしれないうんちく話を。
●ロシアンブルーなどでお馴染みのあの銀色(灰色)は、黒色が希釈遺伝子によって(正確には非希釈遺伝子が劣性なので)退色したものだが、アメリカンショートヘアーなどに代表されるシルバータビーの銀色は、黒ではなく退色遺伝子によって茶色が変化してできたもの。
●白色遺伝子は何よりも強く、他のどんな遺伝子を持っていようとWが1つでもあれば全身真っ白になる
●白色遺伝子は、体に色をつけるメラニン色素を合成する細胞(メラノサイト)が無いと言われている。このメラノサイトは、神経の元になる幹細胞(神経幹細胞)から分化(できてくる)するので、白い毛の子は同じ細胞由来の神経に異常があるケースがある。白猫に難聴の子がたまにいるのはそのせいだと言われている。
毛色の世界はなかなか奥が深いですね。
(フロムC&DL #43とこちらのウェブを参考にさせていただきました。ありがとうございました)
いよいよ秋も深まってきて、朝晩は冬の気配を色濃く感じる今日この頃です。あっという間に年末ですね。TVではデパートのおせち料理の特集や年賀状印刷のCMなどが流れてきて、急き立てられるような気分になります。といいつつ、私も年末年始の話題に持っていくのですが・・・(笑)
今年は12月29日(土)の午前中まで診療します。年始は、1月4日(金)から再開します。
以上、ご了承ください。
さて、今日は猫の毛色について。
猫の毛色にはいろいろな種類があります。シンプルな一色のネコ、タビーと呼ばれる縞柄には銀(シルバー)、茶トラ、キジトラなど。そしてご存知三毛猫ですね。
これらの毛色は当然遺伝子の組み合わせで決まるのですが、毛色に関係する遺伝子は9つもあります。その中身とは、
1,白色遺伝子(W)・・・体全体を白一色にする。もっとも強力な優性遺伝子。
2,茶色遺伝子(O)・・・黒色の毛を茶色(オレンジ)に替える。性染色体上に存在する。
3,黒色遺伝子(B)・・・黒色の毛が現れる
この3つが基本の色ですね。2番が関係してくる(説明するとややこしくなるのでここでは省きます)
ので、オス猫は赤と黒の両方を同時に発現できないのです。これがオスの三毛猫がいない理由です。
それから、
4,アルビノ遺伝子・・・色が付く場所やその濃さを決める
5,銀色遺伝子・・・茶色だけを薄くする
6,希釈遺伝子・・・すべての色素の発色を淡くする
7,アグーチ遺伝子・・・柄ありか柄なし(単色)かを決める
8,タビー遺伝子・・・縞模様の種類を決める
9,白斑遺伝子・・・足先やお腹に白いけの部分(ブチ)をつくる
この残り6個で、様々な縞模様(タビー)や白スポット(足先の白毛は俗に「足袋を履いている」と
表現しますよね)、ぶちなどが形成されます。
以下、知っているとちょっと自慢できるかもしれないうんちく話を。
●ロシアンブルーなどでお馴染みのあの銀色(灰色)は、黒色が希釈遺伝子によって(正確には非希釈遺伝子が劣性なので)退色したものだが、アメリカンショートヘアーなどに代表されるシルバータビーの銀色は、黒ではなく退色遺伝子によって茶色が変化してできたもの。
●白色遺伝子は何よりも強く、他のどんな遺伝子を持っていようとWが1つでもあれば全身真っ白になる
●白色遺伝子は、体に色をつけるメラニン色素を合成する細胞(メラノサイト)が無いと言われている。このメラノサイトは、神経の元になる幹細胞(神経幹細胞)から分化(できてくる)するので、白い毛の子は同じ細胞由来の神経に異常があるケースがある。白猫に難聴の子がたまにいるのはそのせいだと言われている。
毛色の世界はなかなか奥が深いですね。
(フロムC&DL #43とこちらのウェブを参考にさせていただきました。ありがとうございました)
posted by hiro at 12:13| Comment(0)
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