2014年12月12日

腎臓の話(その1)


犬や猫はおおよそ10歳ごろから老齢期を迎えます。つまり老犬、老猫となります。

 そんな老犬、老猫をお飼いの飼い主さんに質問です。最近食欲が落ちたり、すこし痩せてきたと感じておられませんか?さらに、最近お水を昔よりたくさん飲むような事はないですか?

 それは年齢のせいではなく、ひょっとしたら腎臓病(腎障害・腎不全)かもしれません。

 腎臓は体の老廃物である「おしっこ」を作る器官ですが、おしっこが腎臓内で作られる過程は非常にデリケートで、ちょっとしたきっかけで腎臓は障害を受けてしまいます。そしてその構造上、障害が障害を生み出すという悪循環に陥りやすいのです。さらに恐ろしいのは、

腎臓は一度壊れてしまうと治らない。

という点にあります。これは動物も人間も同じで、人間でも腎臓がやられてしまうと腎移植や透析という大掛かりな治療が必要になってしまうのはそのためです。


 さて、一口に腎臓病と言っても病態や原因は色々あります。今日は原因について。

 まずは食事です。タンパク質のあまりに多い食事は腎臓に負担をかけるので腎臓病の原因となりえます。ジャーキー(ササミジャーキー含む)などのおやつ、肉類ばかり好んで食べる子は要注意です。

 あと、「カリウム」というミネラル分が少ない食事を摂り続けても腎臓に深刻なダメージが出ることがわかっています。間違えないで頂きたいのは一般的に塩(しお)と呼ばれるものは「塩化ナトリウム」であり、「ナトリウム」と「カリウム」は全然別物です。(ちなみに、意外なことに健康な動物が多少ナトリウムの多い食事をとっても腎臓が悪くなることはありません。あくまで悪いのは「カリウムが少ないこと」です)。

 次に、先天的なものを除いてよく見られるのは尿結石などによる閉塞ホルモン(甲状腺)の異常、あと高カルシウム血症を引き起こすある種の腫瘍などがあります。

 犬に特有の原因としては、レプトスピラなどの感染症やある種の薬物・薬品、それからあまり知られていないものとしてぶどう(レーズン)中毒があります。生のぶどう、干しぶどうは犬に絶対にあたえないで下さい!量にもよりますが、腎不全から死に至ることがあります。

 猫の場合、日常使う薬(鎮痛剤、抗生剤)が腎障害の引き金になることもあります。さらに猫免疫不全ウイルス感染症(いわゆる「猫エイズ」)が原因になったりもします。あと覚えておいていただきたいのは、植物にも危険なものがあるということです。ある種のバラ、それからユリなどを誤って食べてしまうと腎障害が出ることがあります。

 しかし、犬も猫も、実は多くの場合原因が不明というケースが最も多いのです。だから逆に恐ろしいと言えます。
posted by hiro at 17:20| Comment(0) | 健康
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