飼っている動物の調子が悪い時、ほとんどの人が最初にすること、それは「様子を見る」事ですね。「ネットで調べる」がその次でしょうか(笑)。
もちろん、いつもとちょっとでも様子が違うとすぐに病院へ連れてきてくださる方もおられますし、それは実はまったく正しいのです。本音をいうと「様子を見ていいかどうか」はよほど観察眼が鋭いか、あるいは実際に診察しないと判断が難しいものなのです。
それに、動物たちは病気を隠します(特に猫)。ですから、調子が悪い事を飼い主さんに見せる時というのは実は結構病気が進行していたり、重大な状態にまで進んでしまっている事もある、ということは頭に入れておいて下さいね。
さて、そういう事をいちおう前提にして、「様子をみる」について考えたいと思います。まず前提条件として、
・子犬・子猫(おおむね生後半年未満)
・老犬、老猫(おおむね12歳以上)
・持病がある動物(特に心臓・呼吸器・ホルモン系)
の場合は「様子を見る」のは絶対ダメ!です。半日、あるいは数時間で取り返しのつかない事になってしまう可能性があります。夜中でも夜間救急病院に走っていただいたほうが良い場合もあります。
あと、もちろん、普段とぜんぜん違う行動、例えば
・体を痒がって散歩も行けない
・足を完全に挙げ、3本足で歩いている
・ウロウロと落ち着きが無い
・普段と違う声を出す
・夜中一睡もしない
・体を触ると「キャン」と叫ぶ
・呼吸器の症状(息が荒い、咳をしている、呼吸がしにくそう)
・体全体の症状(ぐったりしている、舌の色が真っ白、体温が下がっているようだ)
などは重大な病気の兆候かもしれませんので、若くても持病がなくてもすぐ来院していただいたほうがいいです。
次に、まあまあ若くてまあまあ健康で、特に持病もない動物で、連れて行くべきか迷う症状の場合。ポイントは「様子を見て取り返しのつかないことになるかどうか」です。もっとはっきり書けば「半日〜1日ぐらい様子を見ているうちに手遅れになる可能性がある病気かどうか」ということですね。そういう意味から、
症状が1つだけの場合、半日〜1日様子を見てもいい
と考えて下さい。例えば、
・1度もどした(嘔吐)けど、元気で食欲もある。
・下痢しているけど元気だ
・元気だけど食欲が少しない
などは症状が1つだけなので半日〜1日様子を見てもいいと思います。ただし、あくまで半日〜1日です。3日も4日も続いて嘔吐がでているのに「様子を見て」いてはいけません!そういうのは「見て見ぬふりをしている」といいます。
次にこれを応用して考えると、
・もどした(嘔吐)あと、下痢もしている(でも元気)
・下痢していて朝より元気がなくなってきた
・食欲が無い、さらに元気もあまりない
という場合、症状が2つになっているわけですからこういう場合は病院へGo!です。いずれにせよ、迷ったら連れて来ていただいたほうが無難です。
現在当院ではワンコインで往診しております。また、土曜日、日曜日も診察しております(原則午前中)ので、お気軽にご来院下さい。
お断り:今回の内容はあくまで一般論であり、単一の症状の動物が全て軽症であり、様子を見ても大丈夫、という意味ではありません。判断はあくまでご自身で、迷ったら必ず連れて来てください。
最後にお願い。病院へ行くべきかどうかを電話でお聞きになる飼い主さんが多いです。「●●なんですが、大丈夫ですか?」「今●●したんですが、どうすればいいですか?」という感じです。
その答えは申し訳ありませんがいつも同じです。「お話だけでは何とも言えません」。まあたぶんほとんど大丈夫だろうな、と思う症状や相談でも、お電話での相談では基本的には「大丈夫です」とは絶対に言いません(言えません)。
だって、ほんとにわからないんですもん。「どうしよう」と迷ったら病院へ。
2014年12月01日
「様子を見る」ということ
posted by hiro at 17:45| Comment(0)
| 健康
2014年11月08日
跛行(歩き方がおかしい)診断は難しい
動物の体は基本的に左右対称ですね。その左右にまつわるお話の第一回目。今回は跛行(はこう)について。跛行とは医学用語で、歩き方がおかしい、いわゆる「びっこ」のことをいいます。
「先生、この子今朝から歩きかたがおかしいんです」
という主訴(症状)で来院する犬は意外と多いです。
余談になりますが、猫で跛行が少ないのは、もともと運動能力が高く怪我などをしにくい事、犬に比べ体重が軽いので重症化しにくいこと、膝や肘を曲げて歩けるので跛行してもわかりにくい事、散歩をしないので脚の異常に気づきにくいこと、そして犬に比べて痛みや異常を隠す傾向が強いこと等があげられます。
で、その跛行ですが、前足と後ろ足の異常を間違えることはありませんよね。でも、実は右と左の異常はなかなか分かりにくいんです。もちろん完全に足を挙げて地面に付かないぐらいの異常は別ですが、軽い症状の場合、飼い主さんが右と言っても実は左が悪かった、ということもたまにあります。
ちょっと書きにくいんですが、実は私もパッと見ただけでわからない場合があります。もちろん触ったり動かしたりして調べればほとんど分かるのですが、ごくわずかな異常の場合や両方に異常がある場合(老年性の変形性関節症など)、それでも迷うことが多いです。
そこで活躍するのが、いわゆるスローモーションが撮れるハイスピードカメラ。普通の動画は1秒間に30コマ(30fps)ですが、私が持っているカシオのデジカメは210fpsで撮影できます。それで見ると、ごくわずかな異常もわかりやすくなります。
ですから、もし「歩き方がおかしい」という主訴で病院へ来られた時、私がカメラを持ちだしたら「ああ、微妙な症状なんだな」と温かい目で見て下さいね(笑)
「先生、この子今朝から歩きかたがおかしいんです」
という主訴(症状)で来院する犬は意外と多いです。
余談になりますが、猫で跛行が少ないのは、もともと運動能力が高く怪我などをしにくい事、犬に比べ体重が軽いので重症化しにくいこと、膝や肘を曲げて歩けるので跛行してもわかりにくい事、散歩をしないので脚の異常に気づきにくいこと、そして犬に比べて痛みや異常を隠す傾向が強いこと等があげられます。
で、その跛行ですが、前足と後ろ足の異常を間違えることはありませんよね。でも、実は右と左の異常はなかなか分かりにくいんです。もちろん完全に足を挙げて地面に付かないぐらいの異常は別ですが、軽い症状の場合、飼い主さんが右と言っても実は左が悪かった、ということもたまにあります。
ちょっと書きにくいんですが、実は私もパッと見ただけでわからない場合があります。もちろん触ったり動かしたりして調べればほとんど分かるのですが、ごくわずかな異常の場合や両方に異常がある場合(老年性の変形性関節症など)、それでも迷うことが多いです。
そこで活躍するのが、いわゆるスローモーションが撮れるハイスピードカメラ。普通の動画は1秒間に30コマ(30fps)ですが、私が持っているカシオのデジカメは210fpsで撮影できます。それで見ると、ごくわずかな異常もわかりやすくなります。
ですから、もし「歩き方がおかしい」という主訴で病院へ来られた時、私がカメラを持ちだしたら「ああ、微妙な症状なんだな」と温かい目で見て下さいね(笑)
posted by hiro at 11:39| Comment(0)
| 健康
2014年10月21日
往診料について
大変ご無沙汰してしまいました。申し訳ありません。
本日は1つお知らせをさせて頂きます。
1,往診料を従来の3000円から500円(税別)に値下げします。
かねてからご要望が多かった往診について、もっとお手軽にご利用いただけるよう、大幅に料金を見直しました。どうかお気軽にご利用下さい。
往診についてのお願い
・往診は予約制になります。必ず事前にご連絡下さい。
・往診時間は原則として平日の午後12時から4時までとなります。午後8時以降の往診料は従来通り3000円(税別)となります。
・時間に関しては、ほかの往診や手術などの予定が入っている場合、必ずしもご要望に応じられない場合があります。ご了承下さい。
・往診にお伺いできるのは交野市全域・枚方市の一部・寝屋川市の一部・四條畷市の一部となります。それ以遠の遠隔地に対しては、距離に応じた別料金が発生します。
・往診にお伺いした後、病院に搬送する必要が生じた場合、別料金が発生する場合があります。
・往診をした際の診療費は、現金でお支払い下さい(カード利用不可)
以上です。どうかお気軽にご利用下さい。
本日は1つお知らせをさせて頂きます。
1,往診料を従来の3000円から500円(税別)に値下げします。
かねてからご要望が多かった往診について、もっとお手軽にご利用いただけるよう、大幅に料金を見直しました。どうかお気軽にご利用下さい。
往診についてのお願い
・往診は予約制になります。必ず事前にご連絡下さい。
・往診時間は原則として平日の午後12時から4時までとなります。午後8時以降の往診料は従来通り3000円(税別)となります。
・時間に関しては、ほかの往診や手術などの予定が入っている場合、必ずしもご要望に応じられない場合があります。ご了承下さい。
・往診にお伺いできるのは交野市全域・枚方市の一部・寝屋川市の一部・四條畷市の一部となります。それ以遠の遠隔地に対しては、距離に応じた別料金が発生します。
・往診にお伺いした後、病院に搬送する必要が生じた場合、別料金が発生する場合があります。
・往診をした際の診療費は、現金でお支払い下さい(カード利用不可)
以上です。どうかお気軽にご利用下さい。
posted by hiro at 19:33| Comment(0)
| お知らせ
2013年12月24日
動物をめぐる似非科学(最終回)
お待たせしました。動物をめぐる似非科学、今回はズバリ核心に切り込みます。
エピソードその1:万能シール
昔、まだ勤務医をしていた頃、腎臓が悪いシェルティを診察しました。その子は、残念ながら病気が見つかった時にはすでに末期的な段階で、高齢ということもあり治療をしても数ヶ月持つかどうか・・・という状況でした。
しかし、適切な治療をすれば尿毒症からくる吐き気や食欲不振、そしてだるさなどの症状は一時的にでもやわらげることができます。
血液検査の結果と病名をお伝えし、治療方針について話をしようとしたところ、飼い主さんが
「先生大丈夫。この子にはこれを使いますから(治療は)いりまへん」
と言って、かばんの中から丸いシールを取り出しました。その、ロゴの入った肌色の小さなシールは何でもチタンが練り込んであるらしく「生体電気」を整えて病気を直してくれるとのこと。
若かった私は、そんなものが世の中に存在することも知らず、そしてそのあまりに堂々とした物言いに圧倒され、結果的に飼い主さんの言い分を飲むことになりました。後で院長に相談すると「ああ、そういう人はしたいようにさせてあげたほうがいいよ」とのこと。
なぜならそういうものを信じる人は「医学的常識」など聞く耳持たず、強引に治療をしてもトラブルになるだけだからだそうです。
結局その子は最初の見立てよりも早く(しかも苦しみながら・・・)亡くなりましたが、飼い主さんは満足げでした。
エピソードその2:ステロイド嫌悪症
開業当初のことです。ただし、このエピソードは私の治療方法や説明も悪かったかもしれませんので、一緒に反省します。
その犬はその当時増えつつあった「アトピー性皮膚炎」だったのですが、治療の三大柱、スキンケア(その子にあったシャンプー、サプリメント)と環境整備(まめな掃除)はご理解いただいたのですが、かゆみを抑えるステロイドだけは頑として受け付けてくれません。
その飼い主さんは「ステロイドは悪魔の薬で、一度使ったら最後、一生飲ませ続けないといけなくなり、少しでも止めたり量を減らしたりするとたちまちそれまでの何倍もの痒みが襲ってきて病気が悪化し、最後には全身がボロボロになって死ぬ」と信じて疑わなかったのです。
もちろんステロイドにはそういう側面がありますが(そして確かに最近ではできるだけステロイドを使わないような治療へシフトしてきつつありますが)、とにかく今出ている酷い痒みを止めるにはステロイドを使うしかない、という私の説得も馬耳東風、ケース1の方と同様、病院での治療を拒否しご自分で治療する方法を模索するようになりました。
西にステロイドを使わない獣医さんがいると聞けば出かけ、東に漢方で直してくれる先生がいれば車を走らせ、やれソリッド・ゴールドだ高価なサプリメントだ牛乳石鹸だ木酢液だ竹酢液だムトウハップだと色々なものを使っているうちにその子の皮膚はどんどん悪化し、ついには真っ黒のボロボロのガサガサのベトベトに。
え、どうして治療を受けていないはずなのにそれだけ詳しく知ってるんだ?それは、治療は受けないけれど電話で「これはどうだ」「あれは効くか」「こんなのを見つけたんだけど」と聞いてこられるからです。その都度「よくわかりませんし、そもそも診療もしないでこのサプリがいいとかあのフードがいいなどという無責任なことは言えない」と言うと数ヶ月に1度連れてこられる。そして最初に戻る、の繰り返し。
(ソリッド・ゴールドと実名を上げましたが、今はどうか知りませんがその当時のソリッドゴールドは食べさせるだけで「フィラリアにならない」「アトピー性皮膚炎が直る」「ジステンパーにも掛からなくなる」などと謳っていたのであえて実名を挙げました。このように「何にでも効く」と謳うのは似非科学の特徴の1つです)
結局その子も、何年も酷い痒みに夜も寝られない状態のまま亡くなっていきました。最後までステロイドは使わなかったと思います(他で処方してもらっていたかもしれませんが)。
そう、結局、エセ科学に騙されてつらい目に合うのは他のだれでもない、動物たちなんですよね。
ご自分で信じていろいろな健康法を試されるのは構いません。でも、それを動物に押し付けないでください。あなたには効いているかもしれませんが、それがその子に効くとはかぎりません。それどころか、人間は大丈夫でも犬や猫には毒になるモノや食べ物もたくさんあるのです。
あなたが信じているその◯◯、ひょっとしたら「iPhoneは電子レンジで充電できる」ぐらいの与太話かもしれません。iPhoneは壊れても買い換えれば済みますが、一度損なった健康はお金では買い戻せないかもしれません。
エピソードその1:万能シール
昔、まだ勤務医をしていた頃、腎臓が悪いシェルティを診察しました。その子は、残念ながら病気が見つかった時にはすでに末期的な段階で、高齢ということもあり治療をしても数ヶ月持つかどうか・・・という状況でした。
しかし、適切な治療をすれば尿毒症からくる吐き気や食欲不振、そしてだるさなどの症状は一時的にでもやわらげることができます。
血液検査の結果と病名をお伝えし、治療方針について話をしようとしたところ、飼い主さんが
「先生大丈夫。この子にはこれを使いますから(治療は)いりまへん」
と言って、かばんの中から丸いシールを取り出しました。その、ロゴの入った肌色の小さなシールは何でもチタンが練り込んであるらしく「生体電気」を整えて病気を直してくれるとのこと。
若かった私は、そんなものが世の中に存在することも知らず、そしてそのあまりに堂々とした物言いに圧倒され、結果的に飼い主さんの言い分を飲むことになりました。後で院長に相談すると「ああ、そういう人はしたいようにさせてあげたほうがいいよ」とのこと。
なぜならそういうものを信じる人は「医学的常識」など聞く耳持たず、強引に治療をしてもトラブルになるだけだからだそうです。
結局その子は最初の見立てよりも早く(しかも苦しみながら・・・)亡くなりましたが、飼い主さんは満足げでした。
エピソードその2:ステロイド嫌悪症
開業当初のことです。ただし、このエピソードは私の治療方法や説明も悪かったかもしれませんので、一緒に反省します。
その犬はその当時増えつつあった「アトピー性皮膚炎」だったのですが、治療の三大柱、スキンケア(その子にあったシャンプー、サプリメント)と環境整備(まめな掃除)はご理解いただいたのですが、かゆみを抑えるステロイドだけは頑として受け付けてくれません。
その飼い主さんは「ステロイドは悪魔の薬で、一度使ったら最後、一生飲ませ続けないといけなくなり、少しでも止めたり量を減らしたりするとたちまちそれまでの何倍もの痒みが襲ってきて病気が悪化し、最後には全身がボロボロになって死ぬ」と信じて疑わなかったのです。
もちろんステロイドにはそういう側面がありますが(そして確かに最近ではできるだけステロイドを使わないような治療へシフトしてきつつありますが)、とにかく今出ている酷い痒みを止めるにはステロイドを使うしかない、という私の説得も馬耳東風、ケース1の方と同様、病院での治療を拒否しご自分で治療する方法を模索するようになりました。
西にステロイドを使わない獣医さんがいると聞けば出かけ、東に漢方で直してくれる先生がいれば車を走らせ、やれソリッド・ゴールドだ高価なサプリメントだ牛乳石鹸だ木酢液だ竹酢液だムトウハップだと色々なものを使っているうちにその子の皮膚はどんどん悪化し、ついには真っ黒のボロボロのガサガサのベトベトに。
え、どうして治療を受けていないはずなのにそれだけ詳しく知ってるんだ?それは、治療は受けないけれど電話で「これはどうだ」「あれは効くか」「こんなのを見つけたんだけど」と聞いてこられるからです。その都度「よくわかりませんし、そもそも診療もしないでこのサプリがいいとかあのフードがいいなどという無責任なことは言えない」と言うと数ヶ月に1度連れてこられる。そして最初に戻る、の繰り返し。
(ソリッド・ゴールドと実名を上げましたが、今はどうか知りませんがその当時のソリッドゴールドは食べさせるだけで「フィラリアにならない」「アトピー性皮膚炎が直る」「ジステンパーにも掛からなくなる」などと謳っていたのであえて実名を挙げました。このように「何にでも効く」と謳うのは似非科学の特徴の1つです)
結局その子も、何年も酷い痒みに夜も寝られない状態のまま亡くなっていきました。最後までステロイドは使わなかったと思います(他で処方してもらっていたかもしれませんが)。
そう、結局、エセ科学に騙されてつらい目に合うのは他のだれでもない、動物たちなんですよね。
ご自分で信じていろいろな健康法を試されるのは構いません。でも、それを動物に押し付けないでください。あなたには効いているかもしれませんが、それがその子に効くとはかぎりません。それどころか、人間は大丈夫でも犬や猫には毒になるモノや食べ物もたくさんあるのです。
あなたが信じているその◯◯、ひょっとしたら「iPhoneは電子レンジで充電できる」ぐらいの与太話かもしれません。iPhoneは壊れても買い換えれば済みますが、一度損なった健康はお金では買い戻せないかもしれません。
posted by hiro at 20:33| Comment(0)
| 日記
2013年12月15日
動物をめぐる似非科学
前回、似非科学について私の考えを書かせていただきました。今回はその続きです。
しつこいようですが、ホメオパシーやある種の健康食品をすべて「悪いものだ」と言うつもりはありません。それらが生活の中でかけがえのないものになっていたり、それで人生が明るくなったという人も中にはいらっしゃると思いますので、そこを否定するつもりはありません。
ただ、売る側があたかも「コレは正しいですよ」「これはサイエンスですよ」という顔をして、科学的知識に乏しい人たちを平気で騙しているのが許せないだけです。
もう2つだけ例をあげます。
「99.9%除菌」という謳い文句は細菌学的には「3時間経てば元に戻る」というのとほぼ同じ意味です。また「耐性菌(より強い菌)をどんどん増やす」という意味でもあります。つまりほとんど意味がないだけでなく、かえって事態を悪化させているのです。お金をかけて一生懸命「除菌」(除菌という言葉自体がエセ科学です)をして喜ぶのはメーカーとバイキンだけです。
っていうか、消毒したければ熱湯を使う(キッチン回りなど)。使えない所やモノは流水でよく洗う(入れ歯など)。石鹸で洗う(手など)それで十分。
「◯◯黒酢にはアミノ酸がたっぷり!!」・・・??まったく意味不明です。「アミノ酸」といえば何か特別な栄養素のようですが、「タンパク質の構成成分」のことです。つまり牛鶏豚、卵、魚、大豆といったどこにでもある「肉類」に呆れるほどたくさん入っています。
もちろんアミノ酸には何十種類もあり、人間が必要なアミノ酸は20種類、その中で体内で合成できない(つまり外から摂るしかない)必須アミノ酸と呼ばれるものは9種類あります。
よって、◯◯黒酢に入っていて他の獣肉に入っていない必須アミノ酸もあるにはあります。でもそれでさえ、色々なたんぱく質(肉類)をまんべんなく摂取るすることで必要十分な量は採れるのです。普通の食事をとっている人にとって、わざわざ高いお金を払ってサプリメントとして摂取する必要はまったくありません。
「アミノ酸をサプリメントで摂取する」というのは、「(普通に呼吸をすれば十分な)酸素をわざわざボンベからマスクを通して吸入して生活する」という愚と同じなのです。
またまたアツくなって前置きだけになってしまいました。次回は必ず「動物をめぐるエセ科学の正体」について書きます。ごめんなさい。
しつこいようですが、ホメオパシーやある種の健康食品をすべて「悪いものだ」と言うつもりはありません。それらが生活の中でかけがえのないものになっていたり、それで人生が明るくなったという人も中にはいらっしゃると思いますので、そこを否定するつもりはありません。
ただ、売る側があたかも「コレは正しいですよ」「これはサイエンスですよ」という顔をして、科学的知識に乏しい人たちを平気で騙しているのが許せないだけです。
もう2つだけ例をあげます。
「99.9%除菌」という謳い文句は細菌学的には「3時間経てば元に戻る」というのとほぼ同じ意味です。また「耐性菌(より強い菌)をどんどん増やす」という意味でもあります。つまりほとんど意味がないだけでなく、かえって事態を悪化させているのです。お金をかけて一生懸命「除菌」(除菌という言葉自体がエセ科学です)をして喜ぶのはメーカーとバイキンだけです。
っていうか、消毒したければ熱湯を使う(キッチン回りなど)。使えない所やモノは流水でよく洗う(入れ歯など)。石鹸で洗う(手など)それで十分。
「◯◯黒酢にはアミノ酸がたっぷり!!」・・・??まったく意味不明です。「アミノ酸」といえば何か特別な栄養素のようですが、「タンパク質の構成成分」のことです。つまり牛鶏豚、卵、魚、大豆といったどこにでもある「肉類」に呆れるほどたくさん入っています。
もちろんアミノ酸には何十種類もあり、人間が必要なアミノ酸は20種類、その中で体内で合成できない(つまり外から摂るしかない)必須アミノ酸と呼ばれるものは9種類あります。
よって、◯◯黒酢に入っていて他の獣肉に入っていない必須アミノ酸もあるにはあります。でもそれでさえ、色々なたんぱく質(肉類)をまんべんなく摂取るすることで必要十分な量は採れるのです。普通の食事をとっている人にとって、わざわざ高いお金を払ってサプリメントとして摂取する必要はまったくありません。
「アミノ酸をサプリメントで摂取する」というのは、「(普通に呼吸をすれば十分な)酸素をわざわざボンベからマスクを通して吸入して生活する」という愚と同じなのです。
またまたアツくなって前置きだけになってしまいました。次回は必ず「動物をめぐるエセ科学の正体」について書きます。ごめんなさい。
posted by hiro at 10:32| Comment(0)
| 日記