2012年08月17日

家の中にある危険その1:キシリトール

今日は、家の中に潜む危険について。
人間には何ともなくても、犬や猫にとって命にかかわる食品やモノがあります。

タマネギやチョコレートが危険なことは有名で皆さんよくご存知だと思いますし、ゴキブリ駆除剤(市販のものやホウ酸団子も含めて)などもゴキブリが死ぬぐらいですから恐いものだという意識をもてますが、意外なもので危険な食品があります。

最近のガムによく入っている「キシリトール」、量によっては致命的になる可能性があることは御存知ですか?

キシリトールは天然の甘味料で、糖の仲間です。口の中で虫歯菌が使えない糖分なので虫歯になりにくく、ガムなどによく利用されています。

で、このキシリトールを犬が摂取すると、血糖を下げるホルモンであるインシュリンが過剰に分泌され、低血糖を起こし、ひどい時には肝臓に障害が出て亡くなってしまう事もあるのです。

低血糖は犬の体重1kgにつき0.1gを食べて1時間以内に、肝障害は同じく体重1kgにつき0.5gを食べて半日ほどで出てくると言われています。


では、どれぐらいの量で症状が出るのでしょうか?

一般的に売られているキシリトールガム1粒(枚)には、キシリトールが0.5g〜1g含まれています。計算してみると、体重3kgの小型犬(チワワ・トイプードルなど)ではたった1個食べても低血糖を起こし、2個で肝障害が出てくる(!)計算になります。10kgの中型犬(柴犬・コーギー)でも1〜2個で低血糖、5個で肝障害という計算になります。

ただし、これはあくまで計算上の数字で、キシリトールに感受性の強い子や、普段から肝臓に問題がある子などの場合はそれより少ない量でも異常が出る場合がありますので注意が必要です。

最近はボトルに何十個も入ったキシリトールガムが市販されていますので、そういうものは犬の手が届く場所に置かないよう注意してあげてください。


そして、もし食べてしまったことがはっきりしているなら、2時間以内だと催吐(吐かせる)が有効です。
夜中なら夜間病院に、またそれ以上時間が経っていても、必ず病院を受信してください。
posted by hiro at 13:01| Comment(0) | 健康

2012年07月30日

夏の咳

毎日暑いですね。クーラーの有難みが身にしみます。

さて、最近暑くなってきて、「犬がセキをする」と仰る飼い主さんが急に増えました。

昔は「犬がセキをする」と言えばフィラリアかジステンパー(子犬ならケンネルコフ)
と相場が決まっていたのですが、最近は、老犬なら心臓からくるセキを疑わなければ
いけなません。

ちなみに余談ですが、「犬がセキをする」ばあい、ほとんどの飼い主さんは
「ノドに何か詰まっているような感じ」と表現されます。いや、実際に
「先生、ノドに何か詰まっているみたいです」と仰る方もいらっしゃいます。

でも、実際に詰まっていることはまずありません。単なるセキの場合が多いです。
というのも、犬のセキはいわゆる「咳払い」のような感じのものが多いからです。



本題に戻ります。最近増えているそのセキは、老犬の心臓からくるものでも、
フィラリアのセキでも、ジステンパーでもありません。
実は「クーラーによる乾燥」がセキを誘発している場合が多いようなのです。

暑いとクーラーをかける。すると湿度が考えている以上に下がります。人間は
のどが渇けば意識して水分補給しますし、何時間もクーラーの聞いた部屋の中
に居続けるというのはまれでしょうけど、室内犬の場合、留守番の間、8時間
もクーラーの部屋の中に居続ける、という事もありえます。

実際にきちんとした学術的な裏付けがあるわけではありませんが、どうやら
それによって喉に負担がかかり、セキが出てるようなのです。

そういう場合は、真夏であっても加湿器を使うようアドバイスします。それで
多くの犬はセキが落ち着きます。

もし、クーラーの効いた部屋にいる子がセキをするようなことがあれば、一度
加湿器を試してみてください。ただし、それで良くならなければ病院へ連れて
きてくださいね。

posted by hiro at 19:38| Comment(0) | 健康

2012年07月21日

今度の水曜日

はじめにお知らせを。

今週の水曜日、7月25日は都合により臨時休診させて頂きます。どうかご了承ください。

26日の木曜日と合わせて連休になりますので、お薬やフードなどが切れないようご注意ください。



さて、毎日暑い日が続きます。
熱中症の季節です。熱中症は命にかかわる事もある恐ろしい病気です。

人間と同じで、家の中にいてもなりますし、15分ほど目を離しただけでも起こりえます。

エンジンを掛けたままの車に放置する、
クーラーの効いていない家の二階でケージに入れたままにしておく、
クーラーがタイマーで切れる、
ちょっとした外出のつもりがアクシデントで長時間留守になった、
夕方アスファルトがまだ暑いうちに散歩に出かける、
曇っていると思って散歩に出たら晴れてきた、
水を入れていたのに、本人がこぼしてしまっていた・・・


これらは、私が今まで経験したり聞いたりした熱中症の例です。特に、

短頭種(パグ・シーズーなど)
幼若犬
老齢犬
病気の動物

はお気をつけ下さい。オレオレ詐欺と同じで「私だけは大丈夫」と思う人
ほど危ないですよ!どうかくれぐれもお気をつけ下さいね。
posted by hiro at 10:34| Comment(0) | 健康

2012年07月10日

予約診療の開始

ウェブページの方でも告知しました通り、10月1日から土曜日の午後診(PM5:00〜8:00)は予約診療のみとさせて頂きます。

その時間帯に診療をご希望の方は、あらかじめメール(ike@ba3.so-net.ne.jp)または電話(072-891-2400)で予約をお取りくださいますようお願いいたします。

また、しつけや病気のご相談・ご質問のみなどもその時間帯でお受けいたしますので、ご希望の方は予約時にその旨をお伝え下さい。(相談料は15分まで無料、以後は規定の料金がかかります)

なお、予約料は無料です。
posted by hiro at 17:58| Comment(0) | お知らせ

2012年05月16日

再出発

去年、私のミスで1頭の犬が死んでしまいました。
いや、殺してしまったといっても間違いではありません。

注射を間違えたとか、手術を失敗したとか、そんなものですらなく、
もっと単純なケアレスミスでした。

飼い主さんは私を責めるようなことを言わず、それが逆に
飼い主さんの悲しさと無念さを物語っていると思い、本当に
自分のした事を心から恥じ入りました。

それからしばらく、性格的に獣医師に向いていなかったのではないか、
今からでも獣医師をやめて他の仕事を探したほうがいいのでは
ないかと考えたりもしました。

命を扱う重さについて、改めて考えました。
やっぱりこつこつと真面目に、苦しむ犬や猫たちのために
努力していくしかない・・・・そう思っていた矢先。


その飼い主さんが、他の犬を連れてまた来院して下さったのです。
そして、謝る私に「先生、全然気にしてへんから」といって下さいました。

もちろん、だからといって私がした事が許されたわけではありません。
でも、おそらくは一生残り続けるであろう私の心のなかの小石が、
ほんの少し軽くなりました。

今の気持ちをずっと忘れず、今日から獣医師として再出発したいと思います。
posted by hiro at 20:57| Comment(4) | 日記